絵本の性質について思う
次に作る絵本で少し思案しています。
「かみさまの花」は少し知育寄りなので、全体的に説明調になります。
正直、絵本としてはつまらないんですよね。
絵本を見て、実際に作ってみて、自分なりに少し体系化してみました。
絵本には
○キャラクター性 ←→ 汎用性
○デザイン性 ←→ 写実性
○物語性 ←→ 抽象性
○ファンタジー性 ←→ 現実性
○知育性 ←→ 寓話性(意味深)
という各要素があります。
あくまでぱっと名付けただけなので、名称は適当です。
たとえばキャラクター性というのは、登場人物の個性のことです。
がっつり個性が出るキャラ、名前や設定があるキャラもいれば
名前もないキャラや、動物の名称そのまま出る希薄なキャラもいます。
で、デザイン性というのは、それをどれだけ簡易化するか、
それとも写実っぽくやるか。
写実っぽくやるものの代表は、写真を使った図鑑的な絵本です。
(絵本コーナーにあるもの)
キャラクター性や物語性が高まると、世界名作劇場みたいな感じのはっきりとした作品になります。
これこそお馴染みの、不思議の国のアリスとか、そっち系のものになります。
物語性が強くてキャラクター性が低いと、日本昔話みたいになります。
「どこどこのおじいさんが~」「お寺の坊主が~」という言い回しで
物語に重点を置いて話されます。
キャラクター性が高くなれば、桃太郎とか金太郎になります。
そこにファンタジー要素を入れれば不思議な世界観になり、
現実性が入れば現代の生活様式のものになります。
知育性が強いと説明調になり、寓話性が高いと曖昧に示されます。
こうしたことを考えた結果、
絵本の作品としては
キャラクター性が高くて
物語性が高いほうが面白い
というのは間違いありません。
あるいはキャラクター性が高いものは印象に残るので
物語は覚えていなくても「ああ、あのキャラ覚えている」となります。
これを「アロとおばあちゃんの世界」に当てはめると
各五段階でいえば
・キャラクター性 4
・デザイン性 2
・物語性 3
・ファンタジー性 2
・知育性 4
くらいかな、という感じです。
「かみさま どーこだ?」は、
・キャラクター性 2(キャラ性はあるが、個性はない)
・デザイン性 4
・物語性 1
・ファンタジー性 1
・知育性 3
となります。
これを考えたとき、次に「かみさまの花」をやると
知育性が高くて単調でつまらない作品になります。
だったら、それはガイドブックのほうでまとめてしまって、
次はちょっと違う物語性の高いものをやろうかと考えました。
それと少しアニメ調の絵柄でやってみたいと思ったので、
どれくらい融合できるのか試してみたいですね。
もともとアニメって子供が見るものとして発展してきたので、
それを使うのは自然に思えます。
あとはどれくらいの度数でやるか、です。
アロは意識的に淡白に描きました。
キャラクターはあっても、あまり癖をつけないようにしています。
絵本自体の経験がほぼなかったので様子を見ていました。
正直まだまだ慣れていないので、これからも実験的な絵柄が多くなるはずです。
むしろ毎回自分の中で実験的、挑戦的なものになりそうな気もします。
ここ数日はずっとそのことを考えて悩んでいました。
本の内容も、どれくらいやればいいのかも難しい。
簡単に作れる絵本もあれば、難しい作品もある。
これは創作活動において当然のことで、これもまた面白いです。
作品にはそれぞれ必要な期間というものがあります。
あるものは一日や数日で終わり、あるものは半年や一年以上かかります。
時間をかけたからといって良いものができるわけではありませんし、
評価が高くなるわけでもありません。
ただ単に、作品の性質に応じて熟成期間が必要になるだけの話です。
それだけを見て、割に合うとか合わないとかを考えるのは
そもそも間違いなのです。
必要ならば、必要なだけ時間をかけねばいけないわけです。
仮に物語性を高めた場合は、設定やイメージボードを含めて
また多少時間がかかりそうだなーとは思います。
まあ、それはそれで楽しい時間ではあるのですから、
それを含めて制作を楽しみたいものです。
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